大湊線大湊駅近くに鎮座する近川稲荷神社に参拝してきました。
社額が二枚並べて掲げられています。「近川稲荷大明神」と「金毘羅大権現」です。近川稲荷神社であり金刀比羅神社でもあります。
この石灯籠には天保の年号が刻んであります。
境内に大湊小学校跡地の案内板がありました。
「大湊尋常高等小学校 明治七年二月一日の創立、当時校舎未だ成らず焼失前の常楽寺堂内を教室に代用し古川恒次郎・中原佐伯両氏を聘して授業を開始せり。同九年十月浜町一番地に校舎を新築 同十四年十月大湊村九拾六番地に移転 二十五年五月高等科併置 三十一年一月再度校舎新築 さらに大正十四年十月四日現校舎新築成り移転す。」（昭和８年７月２５日発行「大湊尋常高等小学校各科郷土教育資料」より引用）
大湊小学校は明治７年に常楽寺（大湊上町１３−６）を借用して創立され、明治９年１０月に大湊浜町一番地に自前の校舎を新築しました。その場所がここ近川稲荷の境内だったようです。５年後の明治１４年１０月まで当地にありました。
案内板の文字が読みにくくなっていますが、上述の資料に照らせば「自明治九年十月 至明治十四年十月」となります。また、この地にあったときは「小学校」ではなく「小学」だったと思われます。
なお、引用した「各科郷土資料」には「（校舎建築のため）大湊小学敷地として大湊字浜町一番地旧稲荷神社廃社地の払下出願をなし明治九年三月二十九日付許可せらる」との記述があります。近川稲荷は一時期廃社になっていたようです。