田名部運輸軌道 むつ市

田名部運輸軌道(たなぶうんゆきどう)は、かつて青森県田名部町(現・むつ市)にあった国鉄大湊線の田名部駅(現・赤川駅)から田名部町の中心部を結んでいた馬車軌道です。

東北本線野辺地駅を起点とする国鉄大湊線が大湊駅まで開通したのは、大正10年(1921年(大正10年)9月25日でした。

大湊線の線路は、田名部町の中心部を通らず、郊外の赤川地区に田名部駅が設置されました。

大湊線赤川駅

このため、田名部駅と中心部を結ぶ馬車軌道を敷設することになり、田名部軌道株式会社が設立されました。同社は、その後他の運送店と合併して田名部運輸軌道株式会社と改称しました。

軌道の敷設工事に時間を要したため、田名部駅の開業から少し遅れて12月14日に営業を開始しました。当初は田名部新町までの区間で開業し、その後、田名部柳町まで延伸しました。

田名部駅前(現・赤川駅前)から田名部柳町(田名部第一小学校下)までの4.02キロの路線でした。大湊線の発着に合わせて運行し、片道の所要時間は約20分だったそうです。運賃は大人10銭、子供5銭でした。女性車掌が乗務していた時期もありました。

この馬車鉄道は「キドウ」という愛称で親しまれていましたが、昭和14年(1939)に下北駅から分岐する国鉄大畑線が開通したため乗客が激減し、昭和16年(1941)3月に廃止されました。正式廃止の1年ほど前に運転を休止していたという説もあります。

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