法眼寺 黒石市

法眼寺は黒石市山形町にあります。古い歴史をもつ黄檗宗の寺院です。

山門前

山門は寛保元年(1741)に建てられたものです。そんなに大きくはないのですが、とても重量感のある山門で歴史の重みが伝わってきます。

山門

本堂は明和6年(1769)に建てられたものです。

法眼寺

鐘楼堂は延享3年(1746)に建立されたものです。

鐘楼堂

菅江真澄 津軽の奥より
「村はずれに宝厳山法眼寺という黄檗宗の寺があった。享保年間(一七二〇-三〇ごろ)、この寺の吊鐘を、廬山という禅師が江戸で鋳させて、それを浪速の港へ船につんで送り、またそこから、このみちのくへ船積みして送ろうとした。とちゅう、秋田の沖に近くなったとき、大波にあって船が沈没し、吊鐘も失せてしまった。禅師は、自分の年来の願いもこれで空しくなったといって力を落とし、それから一年もたたないうちに死亡してしまった。この禅師の五十年忌をしようというとしのこと、常陸の国鹿島郡上幡木村の下浜という所の地引き網に、海藻やいろいろな子貝がたくさん付着した怪しい物がかかってきた。これはなんだろうと、ついていた海藻や貝などを斧でうちくだいてみると、吊鐘だったのでおどろきあきれた。これはどこの鐘を、いつ、海におとしたのだろうと、みんなが集まってよくしらべてみると、みちのく津軽の黒石の某寺と刻みつけてあった。そこで役所にとどけでて、船主重兵衛という人がこの津軽のくに青森の港に運ばせたのが、安永の末(一七八〇)のことだという。(中略)海から上がってきた鐘は、立派な鐘楼を建てて今も吊ってある。それをわたしもぜひ見ようと、雪をふみわけのぼっていってその吊鐘の刻銘をみた。」
東洋文庫版 菅江真澄遊覧記3 寛政七年(一七九五年)十一月八日の日記より引用

法眼寺は、津軽三十三観音の二十六番札所でもあります。

本堂前の広場を囲むようにボタンが植えてあります。

ぼたん

名物の白藤は本堂の左側です。

白藤

ボタンも白藤も例年、6月初旬頃が見ごろです。

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