むつ市旧川内町の蛎崎に鎮座する八幡宮です。鳥居は国道338号線に面して建っています。
きれいに掃き清められた境内です。
補修されていますが歴史を感じさせる石灯籠です。
蛎崎八幡宮の脇に「姫小杉由来記」という案内板が立っています。
この道は、狐沢(こざわ)鬼代
(わきのさわ)へと続く古道である。
この道をやや進んで右手〇〇〇に
樹齢五百年を超える杉の大木が
あった。人呼んで姫小杉又の名を
杉ながら姫小松という。
村人は蛎崎城主息女松子姫の
墓標として大切に〇〇たが明治〇十三年
のころ畑主の〇〇某 村の諫めを
聴容れず遂に伐〇売却した。
後、樹霊の祟を受けて発狂したと
伝えられる。
昭和十年四月松前靖広公来村の砌り
これを惜しんで朽ちたる切り株跡に
杉を手植えして今に至る
〇はかすれて判読できず
この道が脇野沢に通じる古道だと思われます。
菅江真澄もこの杉について書いています。
菅江真澄 奥の浦うら滝より
「道のかたわらに、あや杉の老木があった。これが松子の君という方が植えられたもので、杉ではあるが姫小松といい、またの名を ひめこすぎ というと、里の老人が教えてくれた。」
東洋文庫版 菅江真澄遊覧記3 寛政五年(一七九三年)五月一日の日記より引用
近くに蛎崎蔵人の居城と伝えられる蛎崎城址があります。
→蛎崎城址