源常林(げんじょうばやし)のイチョウです。
場所は浪岡の北中野字沢田。
案内板より
「奈良朝和銅二年、道昭大僧都が行丘天王山玄上寺を建之し、銀杏の種子を蒔き、大木となったが八百年前に玄上寺が焼失したので銀杏も枯れた。その後津軽十三城主藤原秀栄の子が乳母が病死したので、墓の印として銀杏の枝をさしたのが大木となったのです。」
浪岡町観光協会
藤原秀栄というのは平泉の藤原秀衡の弟で、十三湊を治めた十三藤原氏の初代です。
美人川伝説の福姫がこの地にきたとき、一緒に来た乳母が亡くなり、お墓の上に立てた乳母の杖が大きな銀杏になったという伝説もあります。
イチョウの前には、祠と鳥居があり姥神社との額、そして道をはさんで、姥大明神の祠。源常林のイチョウは、お乳のでない女の人に御利益がある姥神として祀られているようです。
菅江真澄 すみかの山より
「源常林はそういう名の人が住んでいて、弦上(げんじょう)宇兵衛の塚に植えた大銀杏の木がたっており、力石というのがあった。「行岡の、げんじょはやしのちから石、あげたばかりで日が暮れた」「なみ岡の弦上はやしのいちょうの木は、枝は浪岡、葉は黒石、花は弘前城と咲く」という草刈り唄がある。」
東洋文庫版 菅江真澄遊覧記3 寛政八年(一七九六年)五月十二日の日記より引用
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